インベストメント・アトラス2017

Hideaki Suzuki

Director

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以下は要約です

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2017年、アジア太平洋の不動産投資額は6,110億ドルの見込み


  • アジア太平洋は世界投資額の44%を占め、北米(34%)や欧州(22%)を上回る
  • 日本は引き続き投資先として選好されるも、売却資産が限定的で競争激しく、ノン・コア戦術の組み込みが必要に
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドは、世界の不動産投資活動における将来動向を分析、予測する「アトラス・サマリー2017」を発行しました。本レポートによると、2017年のアジア太平洋地域における不動産投資額は6,110億ドルにのぼる見通しです。この額は2016年比1.6%の微増(6,010億ドル)ではありますが、2017年のグローバル不動産投資額(1.39兆ドル)の44%を占めます。北米と欧州はそれぞれ、全世界の34%と22%を占めます。


クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドのシグリッド・ジアルシタ(APACリサーチ、マネージング・ディレクター)は次のように述べています。「昨年アジア太平洋地域ではオフィスビルや土地の記録的な取引がありました。主にコアマーケットにおいてデベロッパーが目立った動きを見せるなど、コア資産を作り出すビルト・トゥ・コア投資機会への強い意欲が継続していることを示しています。」


また、「アジア太平洋におけるこのポジティブな投資機運は2017年も変わらず、良好な景気が投資家の関心を刺激し、各国の投資家から、アジア太平洋地域、またグローバルな投資家に至るまで、近代的な商業不動産への需要を押し上げるでしょう。しかしながら、世界経済における不確実性を背景に、新しいマーケットへ挑戦する投資家もいる一方で、コア資産のグローバル分散投資戦略が依然支持を得ると見られます。」とも述べています。


日本投資市場


日本の投資市場で過去2年にも渡る売却物件の少なさは、本年も続くと予想されます。国内のコア市場は国内と海外の資金で溢れ、多くの投資家が資金展開に苦戦しています。更に、金融緩和維持によって容易となるリファイナンスがこれに拍車をかけており、所有者は売却のプレッシャーを感じていません。衰えぬ投資意欲と不動産をめぐる熾烈な競争環境の中、投資家は独創的な投資アプローチを拡大していかざるを得ません。


クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの鈴木英晃(日本リサーチ、ディレクター)は、バリューアッド/オポチュニスティック投資が資金展開には向いており、さらに他の投資家のコア選好を出口として考えられるため有用な戦術であると考えています。


「コア資産の強い需要がある一方で、コア資産そのものを作り出す誰かが必要です。例えば、バリューアッド/オポチュニスティック・プレイヤーや、投資家自身が投資戦略にバリューアッド戦術を取り入れて強化するなどです。安定資産を追求しマーケット取引の主役となっているJ-REITも今ではバリューアッド戦術を立てているところもあります。彼らは、ブリッジファンドを活用し安定化が必要な資産を仕入れ、問題解決後にリートに取り入れる手法をとっています。コア投資家にとっても長期的な投資戦略の一環としてバリューアッド戦術を検討する時期に来ているのではないでしょうか。」とも述べています。


新しい投資セグメントや投資スタイルの世界的な関心の高まりと同様、日本では人口動態が投資のテーマへとなりうるでしょう。国レベルでの出生率低下とは対照的に、人口の増加を続けている首都東京は、既存のコアエリアから、成長ストーリーを描くより小さいサブマーケットをも飲み込んでいく事でしょう。加えて、データセンターといったオルタナティブセクターが、更なる好機をもたらすと考えられます。