メディア掲載:種田充博インタビュー記事

Interview with Mitsuhiro Taneda
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2019年(令和元年)7月22日 「日刊不動産経済通信」掲載記事

空前のオフィス需要、 背景には人手不足
C&W のリーシング統括・ 種田氏に聞く

全国の都市部で賃貸オフィス市場が活況だ。 4 月にク ッ シ ュ マ ン ・ ア ン ド ・ ウ ェ イ ク フ ィ ー ル ド (C&W) 日本法人のリーシング・ アドバイザリー・ グループのエグゼクティブ・ ディレクターとなった種田充博氏(以下、種田)は、 オフィスが空前の高稼働を続ける背景には、 人材獲得を急ぐ企業の投資需要があると分析する。 昨年7 月まで三幸エステートの社長を務めた種田氏に、 市況や運営方針を聞いた。


―― グループの業務内容について。

種田 賃貸オフィスの仲介とリーシング・ マネジメントの 2 本柱だ。 会社としてこの 2 分野を強化している。 当社は世界70カ国 4 0 0 拠点で展開しているが、日本法人はまだ成長の途上にある。 投資家との人脈や知見を業績拡大に役立てたい。

―― 全国的にオフィスの需要が旺盛だ。

種田 全国でここまで需給がひっ迫するのは私の知る限り初めてのことだ。 バブル期に都市部で賃料が高騰したが、 実需ではなく投機的な理由によるもので今とは状況が違う。 首都圏について言えば、 新築ビルは年内の供給分がほぼ埋まっている。20年の竣工物件も 5 ~ 6 割は契約済みのようだ。 2 次空室の引き合いも多く、 活況は来年まで続くだろう。 供給量は21~22年に激減した後、 23年に再び急増するとみられる。 供給が急減しても 2 次空室は多く、 需給バランスは保たれそうだ。 今は全体に成約歩留まりが低く、 個人的には少し需要が落ち着いたほうが良いように思う。

―― 施設規模ごとの稼働状況は。

種田 都心ではA クラスビルは快調で、 B クラスも賃料 2 万円前後の物件が非常に良い。 賃料は上がっているが、ビルオーナーが賃料交渉に応じるケースがみられ、ピークを越えた感じもある。ただ渋谷は例外で交渉の余地はない。牽引役はIT関連企業だ。

―― オフィスの需要が高まっている理由は。

種田 主因は人手不足だ。企業が人材を確保しようとオフィスに重点投資している。働き方改革の影響でより良いオフィスを求める流れもできた。ここ数年、景気が上向き、企業には働き手やオフィスに投資する余力がある。リーマンショック後にオフィス市場は長らく冷え込んだが、景気が好転し、抑えられてきたオフィス投資の需要が一気に出た形だ。

―― 地方都市にも同じことが言えるか。

種田 地方で需給がひっ迫しているのはデベロッパーが開発を控えてきたせいで物件が少ないためだ。こうした中、企業の業績が回復して増床の動きが活発になり、予想外に需要が膨らんだ。名古屋や大阪には古いビルが多く、これから更新需要も出てくる。

―― 働き方の変化をビジネスにどう生かす。

種田 働き方の変化がオフィスというハードにどう影響するかは読みにくいが、多様な企業の環境改善事例を集め、顧客に提案していく。

―― 自社の競争優位性をどう保つ。

種田 人材育成と他部署との連携がカギになる。賃料の決定権はビルオーナーにあり、我々は速やかに成約させるための支援役だ。オーナーに的確な助言を与えられるよう人材教育に力を入れるとともに、部署間や海外拠点との連携を強化する。

―― 他部署とどう連携する。

種田 リーシング・アドバイザリー・グループはオフィス専門だが、物流やリテールの賃貸・売買仲介などを手掛ける部署と連携し、オフィスという切り口で顧客やサービスの内容を広げていきたい。


出典「(株)不動産経済研究所」