グローバル製造業拠点インデックスにおいて テクノロジーの導入が進む中国が第1位を確保

  • クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドによるレポート「マニュファクチャリング・リスク・インデックス」によると、中国やインドなどのかつての低コスト立地は、国によるテクノロジー導入支援を通じて、バリューチェーンを強化
  • 地政学リスクを考慮した場合、知的財産権保護に関する懸念の高まりと、熟練労働力の供給余力とが相まって、米国が第1位を維持
  • 労働集約型製造業にとって、東南アジアの低コスト立地は依然として非常に魅力的
  • 欧州の生産ラインとモノの自由な流れは、英国の合意なきEU離脱の潜在的リスクに直面

ロンドン、2019年4月24日 – グローバル不動産総合サービスのクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(グローバル本社:米国イリノイ州シカゴ)は本日、ヨーロッパ・中東・アフリカ地域(EMEA)、米州、アジア太平洋地域(APAC)におけるグローバル製造業者による事業拡大または事業移転に最適な48の立地を評価する調査結果を発表しました。製造業者の個々の要件は異なるものの、政府によるテクノロジー導入投資の拡大により中国が良好なパフォーマンスを示した一方、政治・経済リスクの最小化を図る製造業者にとって米国は最も魅力的な立地となっています。

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドのマニュファクチャリング・リスク・インデックスでは、各国のデータを20の変数に対して点数化し、事業環境、コスト、リスクという3つの指標で、最終的な順位を決定します。同インデックスは世界銀行、国連貿易開発会議(UNCTAD)、オックスフォード・エコノミクスをはじめとする信頼できる情報源のデータをもとにしています。

同報告書によると、国の事業環境とコスト競争力を同等に重視するベースラインシナリオでは、中国が突出しており、第2位が米国、インド、カナダ、チェコ共和国がその後に続いています。チェコ共和国は欧州諸国でトップとなり、ポーランド、リトアニア、ハンガリーも高い位置につけています。

人件費などの事業支出が低い国が高く評価されるコストシナリオでは、中国が再び第1位となり、アジア諸国が上位10位に多く名を連ねました。他の地域では第7位と第8位に輝いたリトアニアとルーマニアが存在感を示しています。

3つ目のリスクシナリオでは、高まる地政学的リスクを考慮し、政治経済リスクの低い国が高く評価されています。このシナリオでは、米国が第1位、カナダが第2位と北米が上位を占め、中国が第4位につけました。第3位のチェコ共和国を筆頭にドイツ、デンマーク、フィンランド、オーストリア、英国がランクインし、欧州諸国が上位10位の半数以上を占めています。

レポートの執筆者リサ・グレアム(C&W、EMEA物流・工業リサーチ&インサイト・ヘッド)は「これらの順位は、急激に変化する製造業勢力図と立地の決定要因について重要な洞察を提供しています。生産性、労働力不足、製造と物流における安全性への対処においてテクノロジーの影響力が増しているように、グローバル製造業は新たな時代に入っています。かつて低コストの立地であった中国やインドは、国によるテクノロジーの導入の後押しによるバリューチェーンを通じて、躍進しています。当社のランキングでアジア諸国が突出しているのは、そのような理由によります。アジア地域では知的財産権を巡る懸念が依然として残っており、コストが高いものの、北米や欧州諸国は製造拠点として引き続き繁栄を享受しています」と述べています。

コストシナリオでは、マレーシア、ベトナム、インドネシアなどのアジア新興市場がコスト競争力を発揮し、アジア太平洋諸国が上位5位を独占しています。地政学リスクシナリオでは、アジア太平洋諸国としては、シンガポール、日本、オーストラリアが上位20位にランクインしました。


順位

ベースライン

コストシナリオ

リスクシナリオ

1

中国

中国

米国

2

米国

マレーシア

カナダ

3

インド

ベトナム

チェコ共和国

4

カナダ

インドネシア

中国

5

チェコ共和国

インド

シンガポール

6

ポーランド

タイ

ドイツ

7

マレーシア

リトアニア

デンマーク

8

リトアニア

ルーマニア

フィンランド

9

ハンガリー

スリランカ

オーストリア

10

タイ

ポーランド

英国

11

ルーマニア

メキシコ

アイルランド

12

ポルトガル

ペルー

ポルトガル

13

インドネシア

チェコ共和国

ポーランド

14

シンガポール

ロシア連邦

日本

15

ベトナム

フィリピン

スイス

16

メキシコ

コロンビア

リトアニア

17

ブルガリア

ハンガリー

オーストラリア

18

トルコ

トルコ

オランダ

19

大韓民国

ブルガリア

スロバキア

20

コロンビア

モロッコ

大韓民国


ドミニク・ブラウン博士(C&W、APACリサーチ責任者)は「労働集約型製造業にとって、アジア太平洋地域の低コスト立地は依然として魅力的であり、そのコスト競争力から、引き続き人気を博すと考えられます。われわれは、東南アジアの産業部門の成長を牽引している中国などの製造業戦略とあいまって、こうした状況が続くと予想しています。オーストラリア、シンガポール、日本などの規制の枠組みが整備された先進国市場は、企業に対して、地政学的リスクや知的財産権侵害リスクから適正水準の保護を提供しています」と述べています。

ロブ・ホール(C&W、EMEA物流・工業部門長)は次のように述べています。
「現在、保護主義やナショナリズムの台頭により、グローバル・地域レベルのサプライチェーンが危険にさられています。欧州では英国のEU離脱を巡る交渉が続いており、その結果次第では、地域の生産ラインを見直し、国内外で商品の流通の仕組みが変わることになります。生産ラインの内外における流通を円滑にするプラットフォームに投資している国々は成功を手にします。陸路と海路を結ぶ一帯一路構想をはじめとする、中国のシームレスなサプライチェーンの接続性は、インセンティブに加えて、インフラやマルチモーダル輸送への巨額投資につながっています。これらの要因は知的財産に関する懸念を相殺しています。」


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本レポートに関するお問合せ:

鈴木 英晃
リサーチ・ディレクター
hideaki.suzuki@cushwake.com

メディア・コンタクト:

岡安 祐子
ヘッド・オブ・マーケティング&コミュニケーションズ
yuko.okayasu@cushwake.com

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドについて
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(ニューヨーク取引証券所:CWK)は、オキュパイヤーとオーナーの皆様に有意義な価値をもたらす世界有数の不動産サービス会社です。約70カ国400拠点に51,000人の従業員を擁しています。プロパティー・マネジメント、ファシリティー・マネジメント、プロジェクト・マネジメント、リーシング、キャピタルマーケッツ、鑑定評価などのコア・サービス全体で、2018年の売上高は82億ドルを記録しました。詳しくは、公式ホームページwww.cushmanwakefield.com にアクセスするか公式ツイッター @CushWake をフォロー下さい。