シンガポール、メルボルン、上海が 2018年度アジア太平洋地域で最も備えが進んだ3都市として評価

「都市準備度インデックス」による建築環境要因およびガバナンス/環境要因に基づいた都市の準備度ランキング


東京、2018年11月14日 - グローバル不動産総合サービスのクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(グローバル本社:米国イリノイ州シカゴ、日本本社:千代田区永田町)による「都市準備度インデックス(The Prepped Cities Index)」は、建築環境における要因を含むマクロ経済、構造、防衛、そして社会に関する幅広い指標に基づいてアジア太平洋地域における17の主要ビジネスセンターの最新の準備度状況を評価した初のレポートです。その結果によると、シンガポールはメルボルンや上海を抑えて2018年度のアジア太平洋地域で最も準備が進んだ都市に輝きました。

都市準備度インデックスによる評価指標は、建築環境におけるコスト/賃料変動性、建物老朽化、持続可能性に加えて、ガバナンス/環境におけるガバナンス、テロリズム対策、人材、脆弱性、サイバーセキュリティの8つに及びます。

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドのアジア太平洋地域リサーチ責任者であるドミニク・ブラウン博士は、以下のように述べています。「この指標では、建築環境要因、およびガバナンス/環境要因の双方を評価する複合アプローチを使用し、将来の不確実性に対する危機を抑止、管理するためどの都市が最も準備が進んでいるかを明らかにしています。不動産が地域経済の柱であることを考えれば、建築環境への多額の投資と相まって、不動産業界は将来に向け都市が更なる準備を行う中で直接的な役割を果たすことができるといえます。」

主要ハイライト

  • シンガポールは、アジア太平洋地域における最も準備が進んだ都市として本リストのトップに位置しており、8つの指標のうち持続可能性、ガバナンス、サイバーセキュリティの3つで上位2位に位置し、賃料変動性を除いて他のすべての指標の上半分にランクインしています。
  • メルボルンは、ほとんどの評価カテゴリーにおいて強さを発揮しました(特にテロリズム対策と人材で1位、持続可能性で3位)。しかし、老朽化した既存建築ストックを補充する新規の高品質なオフィス供給が欠如していたこと、また過去10年間における多くの政治的変化により、全体では2位となりました。
  • 3位の上海(テロリズム対策と人材で2位、建物老朽化で3位)は、低コスト変動およびオフィス新規供給の強固なパイプラインを誇り、不動産の準備度において他のすべての都市を上回りました。この中国のメガシティは、ガバナンスおよび環境要因の点では特段の弱点を示しませんでしたが、サイバーセキュリティの分野でパフォーマンスを向上する余地があります。
  • これら上位へのランクインを逃した都市は、強固な供給パイプライン、築年数の浅い建造物、およびグレードA建築ストック割合の増加など、建築環境要因全般に渡って比較的良好な結果を示しました。しかし、サイバーセキュリティや危機管理計画の策定などの評価基準全般において改善の機会があります。これは、こうした都市の人口密度が高く、また自然災害に対する脆弱性が高い場合もあることを考えると、より一層重要なことであると言えます。
  • 東京は第4位にランクインしました。不動産要因において市場平均を取得した一方で、ガバナンス/環境要因で高評価を得て上位につけました。特にサイバーセキュリティとガバナンス面が大きく寄与しましたが、同時に主に持続可能性とテロリズム対策の2つが全体のスコアを引き下げており、改善の余地を残しています。


チャート:アジア太平洋地域における17の主要ビジネスセンターの準備度ランキング (出典:クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド・リサーチ)


「建築環境において、予期せぬ出来事に対処するため最も準備が進んだ都市は近代的で機関投資家所有率が高く、持続可能性に対して先進的な取り組みを実施し、価格変動の影響を受けにくいと言えます。これらの特性を理解することによって、不動産事業関係者は不動産戦略をより適切に優先順位付けし、実行することが可能になります。オキュパイヤー(テナント)は、準備度などの要因を考慮に入れて企業不動産(CRE)ポートフォリオ戦略の考案、評価に積極的に取り組むことができます。投資家やデベロッパーにとっては、都市準備度インデックスの結果は不動産の賃貸局面におけるリスク調整後リターンを改善し、資本支出の適切なプログラムを明確にするとともに、テナントの準備度に対する要求やニーズの変化に対応できるようにするために役立つのです。」とブラウン博士は語ります。

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド日本のリサーチ責任者である鈴木英晃博士は、次のように提言しています。

「日本は、今回の調査で第4位につける高評価ですが、考え得るリスクに対する準備度という点においては未だ改善点が多いのも事実です。グリーンビルとしての十分な機能を有している高機能ビルが多いにも関わらず、グリーンビル認証の導入が十分に浸透しておらず、他国と比較して市場透明度が低いと認識されています。またビル共用部やカンファレンスホールの盗聴器チェックなどの産業スパイ対策や、ビル内のテロリズム対策などもこの改善点に含まれます。今日まで国内でのテロ行為自体が少ない一方で、東京は他主要国と比較しても国としての認知度が高く、標的になる可能性もあり、テロの脅威をリスク管理上想定していく必要があります。今後東京がさらに多くの多国籍企業を誘致するためには、一層これらの改善を進めていくことが重要となってくるでしょう。」

準備度状況の向上のため、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドでは不動産に関して以下の行動を推奨しています:

  • 平均築年数が高い傾向のマーケットにおいては、政策立案者は、最新の技術建築基準を満たすためオーナーにアップグレードを促すよう努める必要があります。またアセットマネージャーは、テナントをさらに惹きつけて定着率向上に繋げるとともに、こうした不動産の潜在購買層を拡充させることができる健全な資産運用計画を策定し、資本支出の実用的な工程表を明確化する必要があります。
  • ローカルマーケットのけん引要因についての深い理解、健全な予測および戦略的洞察力は堅実で長期的な賃貸借計画の策定に役立ちます。これらを通じて、賃料変動の影響が軽減されます。

  • エネルギー監査のような不動産レベルでの詳細な評価は、何を改善したら持続可能性評価において最も有意義かを明らかにするために役立ちます。オキュパイヤーの観点に立つと、そのような改善が加えられると職場環境も向上し、さらには人材定着へと寄与するでしょう。
  • サイバーセキュリティにおける準備が進んでいない都市で積極的に事業活動をするオキュパイヤーや投資家は、研修の実施やITシステムの強化など、自社レベルでの取り組みを実施検討する必要があります。またアセットマネジメントチームは、現地情勢にふさわしい最適化されたセキュリティ計画を策定する必要があります。セキュリティ機能の集中化などの取り組みを通じて状況認識が強化されると、明確な緊急時手順の補強と相まって迅速な対応が可能となります。
  • 人材獲得競争が激しいマーケットでは、最適化された職場環境が非常に重要となります。最新のワークプレイス戦略の導入は、最良な人材を惹きつけ定着させるために役立つでしょう。


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クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドについて

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(ニューヨーク取引証券所:CWK)は、アイディアを実行に移すことで、オキュパイヤーとオーナーの皆様に有意義な価値をもたらす世界有数の不動産サービス会社です。世界最大規模の不動産サービス会社で、約70カ国400拠点に48,000人の従業員を擁しています。プロパティー・マネジメント、ファシリティー・マネジメント、プロジェクト・マネジメント、リーシング、キャピタルマーケッツ、鑑定評価などのコア・サービス全体で、2017年の売上高は69億ドルを記録しました。詳しくは、公式ホームページwww.cushmanwakefield.com にアクセスするか公式ツイッター @CushWake をフォロー下さい。