企業コワーキングが東京で本格化

企業コワーキングが東京をはじめアジア太平洋で本格化
柔軟なワークプレイスが企業不動産と融合


2017年10月2日、東京 - コワーキング(共働)は融通性の高さが鍵となってベンチャーやテック系企業を惹きつけていますが、硬直的な企業雇用が中心の日本においては、コワーキング文化は未だに大きな広がりを見せていません。しかし今、変化の時を迎えようとしています。オキュパイヤー(企業テナント)は世界中で高額な賃料のマーケットで費用削減に取り組んでおり、アジア太平洋地域のゲートウェイマーケットでは企業がコワーキング需要の主流になろうとしています。 

企業が不動産ポートフォリオを運用する上で、コワーキングスペースは不動産戦略の一形態として魅力的に映ります。例を挙げると、HSBC(香港上海銀行)は香港で、WeWorkの300席を借り上げ、100万米ドル(約1.1億円)の経費削減に成功しました。

日本では、リージャスが5月にSpacesを大手町にオープンしました。また、WeWorkは来年には銀座や丸の内といったプライム・エリアを含む20か所のコワーキングスペースを日本で開設計画をするほど野心的であると報じられています。WeWorkによると、企業プログラムを始めてわずか一年余りで大企業(1)が利用する席数は、5倍近い伸びを示しています。その主な大企業としては、マイクロソフトやセールスフォースなどがある一方、バンク・オブ・アメリカも入っています。

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドのデータや分析からアジア太平洋地域では今後も賃料の高止まりが予想され、コストベネフィットの観点からコワーキング利用戦略は支持を得るでしょう。実は、シンガポール、香港、シドニー、東京や北京といった占有コストの高い都市においては、コワーキングスペースの方が通常のオフィスより占有コストが低い場合もあります。

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド、アジア太平洋リサーチのマネージングディレクター、シグリッド・ジアルシタは「コワーキングスペースの会費は高い一方で、通常のオフィススペースは、必要となるキャペックス(内装費)を考慮すると全体として高コストになります。特に地域内のゲートウェイマーケット(2)では その傾向が見られます。一般的なグレードAオフィスではオフィス費用を検討する際には、賃料の36%程度を追加で見込まなければなりません」と指摘します。

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの中期予測では、2016年から2018年にかけて、ゲートウェイマーケットで平均5.8%の賃料上昇を見込んでいます。プライムレントが高止まりする中、コワーキングスペースのコストベネフィットは引き続き享受できるのです。

東京においては、賃料の軟化局面もあるものの、職場のあり方改革が変化を促すでしょう。リモート・ワーキングが増えるに連れ、企業は必要以上にオフィススペースを抱えることになるのです。平均すると、企業のオフィスでは40%のスペースが常時活用されていません。優良なコワーキング業者の出現によって、日本におけるコワーキング活用文化が一般化する事も予想されます。

私たちの分析には、コワーキングスぺ―スの大量/長期利用による料金割引や、そのスペースの活気がミレニアル労働人口の確保に有利に働く側面などを含めていません。コワーキング業者の提供するプライベートオフィスは更に割高となりがちですが、これら有利な側面を考慮に入れる必要があるでしょう。私たちは、企業の需要は成長が期待でき、コワーキングスペースの20-40%を占めるに至ると考えています。日本では、アベノミクスの三本目の矢にある成長戦略で掲げられた起業精神喚起と融合し、コワーキングはマーケットで一定のポジションを確立していくでしょう。

(1)  WeWorkの定義で1,000人以上の従業員を抱える企業

(2) 北京、香港、上海、シンガポール、シドニー、東京


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