消費税増税の不動産市場への影響は限定的

Tokyo Seaside
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クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドは、消費税率引き上げがわが国不動産市場に与える影響についてのレポートを公表しました。

消費税増税の不動産市場への影響は?  

増税を見越し、個人向けのマンション需要が増加しているが、建設コストの高騰や購入者の価格負担力の限界という制約のため、デベロッパーの中には利幅確保を求めて、住戸面積や建築材料のグレードを調整する動きが見込まれる。新築住居系物件を選好する不動産ファンドはこのような状況にある個人向けのマンション市場の影響を受けるかもしれない。  不動産投資市場における住居系物件の売りが少ないことと不動産市場全体の強気なセンチメントを背景にファンドの需要が強いため、市場全体への増税の影響は限定的だ。 ファンドによる増税前の駆け込み物件取得はあまり見られない。ただし、住居系よりも増税の影響が軽微な他の用途(オフィスなど)に投資対象を切り替える傾向は一部のファンドで見られるだろう。

 不動産市場への影響 

不動産賃貸市場は、他の消費市場と同様に増税が適用されるため、この市場だけがことさら影響を受けるものではない。 不動産売買市場に関しては、住居系物件が比較的増税の影響を受けるため、住居系不動産ファンドの売買市場に限っては、住戸面積の縮小や建築材料のグレード調整が生じうる個人向けのマンション市場の影響を受けるかもしれない。 しかし、物件取得を前倒しすると新たなコストも発生することから、ファンドは増税を理由に、駆け込むような物件取得はあまり見られない。ファンドにとっては、消費税の増税より賃料や稼働率など他にもっと考慮すべき重要な要素があるからだ。  

個人向けのマンション市場 

個人向けのマンション市場において、供給が増加していることに伴い、購入者の選択肢が増え、需要を喚起している。また、アベノミクスによる景況感の改善も需要を後押ししており、来年4月の増税前まではこの動きが続くと思われる。減税策の効果により増税後の反動減はある程度緩和されると考えられる。建設コストが上昇していることや、購入者の賃金上昇・価格負担力上昇が期待できないこともあり、マンションデべロッパーの利幅確保は容易でない。景況感の改善や駆け込み需要があっても、デベロッパーは強気な価格設定はしにくいだろう。 また、マンション価格の要因は、実際は地価と建設コストの上昇による面が大きい。地価の上昇は取得競争の激しい開発候補地の取得によるものであり、建設コストの上昇は復興需要による労賃高騰の影響を受けている。さらに今後、円安で建築材料の高騰が予想される。

                              以上